芸能人やキャラクター、商品写真を大きく印刷した等身大パネルは、店舗やイベント会場などで、人々の目を引き、販促や記念撮影のスポットとして人気です。
今回は、等身大パネルを発注する際の「どんな素材がいいのか?」「納期はどれくらいかかるのか?」といった疑問から、等身大パネルを製作する際に注意する点について解説します。
等身大パネルの素材選定やデザイン時の注意点、活用されている場面や気になる製作費用の相場までを解説します。初めて等身大パネルを製作する方も安心して発注できるよう、実際の製作フローに基づいた情報をまとめます。
等身大パネル製作時の注意点
等身大パネルは「大きさ」「形状」「納期」などで通常の印刷物と取り扱いが異なります。
特に注意する点をまとめました。
・スチレンボードは抜き型では抜けない
一般的に使用される5〜7mm厚のスチレンボードは反発力があり、木型での大量打ち抜きには不向きです。そのため、プロッターカット(カッティングマシン)で1枚ずつ加工するのが一般的です。
・大量生産時は納期に注意
--先述したように、スチレンパネルはその特性から、木型での打ち抜きができないため、カット作業に多くの時間を要します。50枚〜100枚といったロットになると、納期が長くなりがちです。等身大パネルを使用する時期から早めの発注など、事前に製作スケジュールを管理することが重要です。
・使用画像の解像度を確認する
画像の解像度は、等身大パネルのクオリティに直結するため、できるだけ高解像度の画像を準備するのがよいでしょう。印刷する際に必要とされる解像度は300〜350dpiとされることが多いですが、等身大パネルの原寸サイズで350dpiを準備するのは、なかなか大変かと思います。等身大パネルの製作では、150dpi〜250dpi程度の解像度を準備することを推奨します。
・運用の安定性を設計する
等身大パネルを自立させるため、パネルの背面には自立させるためのスタドパーツが取り付けられます。長期間の利用や、人通りの多い場所では、ベース部分に重りを置くなどの工夫をすると安定した運用が可能になります。
等身大パネルの活用シーン
等身大パネルの製作時のポイントを「デザイン」「素材」「サイズ」に分けて解説します。

デザイン
等身大パネルは自由度が高く、人物や商品の輪郭に沿ったカットができます。人物の周囲に白いフチをつけることが一般的ですが、これは強度を保ち、カット精度を上げるために設けられます。フチを無くして、より臨場感を出すことも可能ですが、その分パネルの端が破損しやすくなります。
また、髪の毛や指先など細く直角に曲がる部分のカットには正確性や慎重さが求められるため、加工費用や納期にも影響を与えます。希望の仕上がりについては、業者へ事前に相談することが重要です。
素材
等身大パネルの主流素材は、「スチレンボード」と「ダンボール合紙」です。スチレンは軽く、表面も滑らかで写真やイラストが綺麗に印刷できるため、多くの現場で採用されています。一方、ダンボールは安価で強度もありますが、断面や表面に波目が見えることや、湿気の影響を受けると、反りが出るなど、仕上がりのクオリティが下がります。
見た目を重視する場合やアニメキャラクターやタレントとのコラボの現場では、撮影目的として使用されることも多いため、スチレンボードでの製作が推奨されます。
「スチレンボード」や「ダンボール合紙」は主に、屋内用で使用されます。
近年では、屋外用として、アクリル製や、ユポなどの合成紙に印刷し、アルミ複合版に貼り付けて製作するパネルなどもあり、屋外での使用も可能な等身大パネルの製作を行う業者もあります。使用するシーンに応じた素材選びが重要です。コスト面では、屋外用の素材はとても高価になりがちです。
サイズ
等身大パネルといえば「人の背丈ほど」の大きさが一般的です。身長150cm〜180cm程度を想定したサイズで製作されることが多いです。人物だけでなく、商品を拡大したパネルの製作もされています。
スチレンパネルの規格はバリエーション豊かですが、大きすぎる場合は、輸送や設置が難しくなるため、保管や持ち運びを考えて、折りたたみ式にすることが一般的です。設置場所に応じたサイズ設定が重要です。

納期
等身大パネルの一般的な製作日数は、発注から5〜7営業日程度です。特に数量が多い場合は、1〜2週間かかることもあり、繁忙期にはさらに伸びる可能性があります。納期短縮のコツは入稿データを正確に準備すること、そして事前に業者へスケジュールを確認することです。イベント直前の駆け込み依頼はリスクが大きいため、余裕をもった発注をするようにしましょう。
等身大パネル製作時のポイント
等身大パネルは、人の目を引きやすく、訴求したいメッセージを強く印象づけられる販促ツールです。店頭やイベント会場、街中など、「人が集まる場所での話題づくり」や「記憶に残る演出」に適しています。ここでは、具体的なシーンごとの活用方法を紹介します。
店舗・商業施設
店舗でのキャンペーンや新商品の告知には、等身大パネルが効果的です。特に、タレントやキャラクターを使ったデザインはアイキャッチ効果が高く、通行客の視線を自然に売り場へ導く役割をはたします。ポスターのように壁面に貼るのではなく、自立して設置ができるため、売り場の中央やレジ前など、人の動線上に配置して動きを作ることができます。商品コーナーの横に設置できれば、パネルがメッセージを伝えているような演出も可能です。
キャンペーンや期間限定フェアなど、短期イベントの販促媒体としても扱いやすいのが特徴です。
展示会・結婚式など
展示会やセミナー会場では、ブースのシンボルや案内サインとして等身大パネルが活用されます。遠くからでも目に入りやすく、会社を知らない来場者に「どんな会社か」「どんな商品か」を瞬時に伝える効果があります。
また、結婚式では新郎新婦の等身大パネルを会場やフォトスポットに設置するなどの活用のケースもあります。
観光地・テーマパーク
観光施設やテーマパークでは、キャラクターやご当地ゆるキャラの等身大パネルが定番フォトスポットとして親しまれています。
タレントやキャラクターのファンによる記念撮影やSNS投稿を通じて、オンライン上で話題が広がる二次的な広告効果を生み出します。結果、その土地や施設の露出機会を増やし、オフライン広告の等身大パネルが、デジタル上でのオンライン広告としての役割として機能します。
等身大パネルの製作費用の相場
等身大パネルの費用は、サイズ・素材・数量によって大きく変動します。一般的な目安として、スチレンパネルを使用した高さ160〜180cmほどの屋内用の等身大パネルであれば、1枚あたりおよそ1万円〜2万円前後が相場となります。10枚以上を同時に発注する場合は、1枚あたり1万円〜1.5万円程度に単価が下がります。
屋外でも使えるアクリル製やアルミ合板製となると、かなり高額となり製作できる会社も限られるようです。
前述した通り、スチレンパネルは木型による抜き加工が難しく、プロッターカットによる加工が必要のため、一般的な販促物と比べて、数量が増えた発注になったとしても、単価の下げ幅は少ないケースがあります。
素材をダンボール合紙にすることで、スチレンボードでの製作よりも2〜3割ほどコストを抑えられ、製作日数も短縮できる傾向がありますが、仕上がりの質感や印刷の平滑性はスチレンボードに劣ります。
設置する目的や使用環境、費用面を踏まえて、最適な素材を選ぶことで費用対効果の高い等身大パネルを製作することができるでしょう。
汎用性と利便性を両立した販促ツール「2BYO」


店頭やイベントで強いアイキャッチ効果を発揮するツールとして活躍しているのがPASSOTの「2BYO」です。
名前の通り、わずか2秒で組み立てられる自立式POPでサイズバリエーションが豊富なため、タレントやキャラクターの等身大POPとしても活用できます。蛇腹に折りたたみ、繰り返し使用することができます。持ち運びがしやすく、展示会や短期イベントの現場で、スピーディーに設営、省スペース運用が求められる現場での使用に最適です。
また、楕円形、正方形、三角形など形状のバリエーションもあり、本体のカットアウトにも対応が可能な汎用性が高いアイテムです。差し替えパーツを使えば、季節やキャンペーンごとにメッセージを変更することもできます。
等身大パネルと別の選択肢として、設置方法や運用面を考えた時に、PASSOTの2BYOも選択肢に入れていただければ運用の幅も広がるでしょう。
等身大パネルを活用してみては
等身大パネルは、その大きさと存在感から店舗やイベント、観光地まで幅広く活用されています。製作にあたっては「素材」「サイズ」「デザイン」「納期」といったポイントを理解しておくことが重要です。スチレンボードは見栄えがよくイベント映えしますが、加工に時間がかかるため早めの発注が安心です。ダンボールはコスト面で優れますが、見た目のチープさをどう許容するかが判断基準になります。
また、設置場所や使用期間に応じた台座の構造を検討しておくことや、デザイン時のカットラインについても製作の依頼先に相談しておくことで、トラブルを避けることができるでしょう。
費用相場は1枚あたり1万円〜2万円前後が目安で、枚数や加工方法によって上下します。等身大パネルは、集客・販促のシーンで確実に役立つツールです。使用目的や設置環境に合った仕様を選び、納期に余裕を持って発注することは成功のポイントと言えるでしょう。