基礎知識

オーダーメイド什器のメリットや製作の流れ・注意点を解説

什器とは、商品を陳列したり展示したりするための設備や家具の総称です。販促の現場や店舗運営において、什器は顧客の購買意欲を高め、商品の魅力を伝える役割を担っています。
什器には既製品だけではなく、特注で製作するオリジナル什器というカテゴリーも存在します。陳列棚やショーケース、レジカウンター、展示台などのほか、近年ではデジタルサイネージ什器を活用するケースも増えており、店舗やイベントの販促活動に新たな表現の幅をもたらしています。
オーダーメイド什器は、サイズ・仕様・素材・デザインまで自由に調整できる点が特徴です。ただし、自由に作れるからこそ、発注時には押さえておきたいポイントがあります。
今回は、オーダーメイド什器の定義をはじめ、活用するメリットや製作プロセス、活用時のポイントについて解説します。

オーダーメイド什器とは?

オーダーメイド什器とは、店舗やイベントの目的に合わせて特注で製作される什器のことです。既製品は汎用性が高く比較的導入しやすい一方、空間やブランドイメージにあわせた細かな調整は難しい場合があります。
オーダーメイド什器は、サイズや素材、デザインを思い通りに設計できる反面、コストが高くなる傾向があります。しかし、必要な部分だけ特注し、それ以外は既製品と組み合わせることでコストを抑えることもできます。
また、「長期的な投資」と捉えることで、ブランド価値や販促効果の向上につながり、結果的に費用対効果が高くなるケースもあります。店舗における印象や世界観を左右する什器にこだわることは、販促戦略の一部と考えることもできるでしょう。

オーダーメイド什器を活用するメリット

オーダーメイド什器を導入することで、店舗やイベントの販促活動に様々な効果が期待できます。ここでは、自由設計ならではのメリットを3つの観点から紹介します。

イメージ通りの什器を製作できる

オーダーメイド什器の大きな魅力は、ブランドイメージや販促コンセプトに合わせた表現ができることです。色や素材、形状を自由に設計できるため、店舗全体の統一感を保ちながら、商品の魅力を引き立てるおしゃれなディスプレイを実現できます。
例えば、ブランドロゴをカットアウトしてLEDを仕込みネオン風に演出したり、木材・金属・モールド素材などで世界観を作り込んだりと、既製品では難しいデザインも可能になります。空間そのものの印象作りにつながることで、来店客の興味を引き、購買行動を促す効果も期待できます。

ペースを有効活用できる

限られた店舗スペースを有効に使うという観点においては、寸法を自由に調整できるオーダーメイド什器が有利です。壁面や角、柱まわりなど、デッドスペースになりやすい場所でも、有効な陳列スペースとして活用できます。
什器の高さ・幅・奥行、棚板のサイズまで調整することで、商品の種類や数量に合わせたディスプレイが可能になります。空間にフィットする什器は、売り場効率の向上にもつながり、店舗全体の見せ方を整える要素にもなります。

機能性・使いやすさが向上する

オーダーメイド什器は、デザイン面だけでなく、使いやすさを考えた機能設計を加えることができます。スタッフの作業動線に合わせた収納スペース、商品の出し入れがしやすい棚仕様、キャスター付きで移動しやすい展示台など、現場のニーズを反映できます。
また、清掃のしやすさとメンテナンス性を考慮した設計も可能です。長期的な運用コストの削減につなげられる点もメリットと言えるでしょう。業務効率を高める什器は、スタッフの負担軽減や顧客対応の質向上にも寄与します。

什器のオーダーメイドの流れ

オーダーメイドの販促什器は、様々な工程を経て製作・納品されます。ここでは、紙・ダンボール製什器を例に、PASSOT株式会社で実際に行っている一般的な受注から納品までの流れを紹介します。
各工程を丁寧に進めることで、販促効果や仕様満足度が高い什器作りに繋がります。

ヒアリング

設置場所、サイズ、製作数量、納品時期、使用期間、想定される予算など、必要事項をヒアリングします。過去に製作した什器の写真や、参考となるイメージがある場合は共有いただくことで、スムーズなご提案が可能になります。
「どのように商品を見せたいか」「どのような効果を狙いたいか」といった販促什器を製作する目的や演出の方向性も合わせてお聞かせください。

企画・設計

ヒアリング内容を踏まえ、効果的な形状や構造を設計します。
設計では、什器としての安定性と耐久性を確保することを最優先にしながら、可能な範囲でご要望に近い仕様となるよう調整案をご提案します。
具体的なイメージが固まっていない場合には、ラフスケッチで方向性を確認いただくことも可能です。仕様が確定次第、お見積とあわせて正式にご提案します。

デザイン製作

企画・設計の進行に合わせて、什器のデザインを製作します。デザイン製作は、企画・設計のプロセスと同時進行の場合も多いです。デザインはPASSOT側で製作できるほか、お客様が製作される場合には、入稿用のテンプレートをご用意します。入稿いただいたデータは、製造に適した状態かどうかを弊社で確認をしたうえで、次の工程へ進めます。

サンプル作成

実際の素材を使用し、サンプルを製作します。想定される荷重、場合によってはその2倍の荷重を用いて、耐荷重・強度を確認します。検証と用途に応じて、無地のホワイトダミーや、印刷仕上げを実現するカラーダミーなどもご提供可能です。

修正

サンプルおよびデザインをご確認いただき、フィードバックを基に必要な修正を行います。本製作に向けて仕様を確定します。

製作

仕様が確定したのち、本製作に進みます。品質を確認しながら、納期に合わせて進行管理を徹底し、生産します。

納品

指定の場所へ納品します。一括納品のほか、全国の各拠点への分納にも対応しています。納品形式についても、ご希望がありましたらご相談ください。

オーダーメイドする際のポイント・注意点

オーダーメイド什器は自由度が高い反面、事前の確認や設計判断が成果を大きく左右します。特に注意すべきポイントを、代表的な例と合わせて紹介します。

サイズ設計は「売り場のバランス」と「設置後の使いやすさ」を基準に

什器のサイズは、設置場所に収まるかどうかだけではなく、売り場全体の動線や他什器とのバランスを踏まえて設計することが重要です。大きすぎると通路を圧迫し、商品の補充や清掃がしにくくなる場合があります。逆に小さすぎると商品量は不足し、販促効果が十分に発揮されません。売り場の動線、視認性、オペレーションのしやすさを踏まえたサイズの検討が求められます。

素材選びは「見た目」と「使用条件」のバランスが重要

見た目のデザイン性を優先しすぎると、耐久性を損なうケースがあります。紙やダンボール製什器は、軽量かつコストを抑えるメリットがある一方、重い商品の陳列には不向きな場合もあります。
そのため、使用期間・商品の重量・設置環境などを踏まえた、用途に合った素材選択が欠かせません。

デザインは「ブランドらしさ」「商品が主役」の両立を

ブランドイメージと調和しつつ、商品を引き立てるデザインが理想です。什器が目立ちすぎてしまうと、肝心の商品が埋もれてしまいます。商品が主役であることを意識することが大事です。

予算と納期は「余裕を持った計画」と「追加費用の確認」が重要

オーダーメイドは既製品に比べ、製作期間・コストがかかる傾向にあります。イベント日程やリニューアルオープンなど、締め切りが決まっている場合は、余裕をもったスケジュール設定が重要です。
予算についても、追加費用が発生する可能性を事前に確認しておくと安心です。

現場を想定した「扱いやすさ」も忘れずに

什器は使いやすさも大切です。組み立て・解体のしやすさ、商品補充や入れ替えの効率、清掃など、日々の運用に配慮した実用性を、設計の段階から検証しておくことが重要です。

【オリジナル製作可】おすすめの什器を紹介

最後に弊社で扱っているオリジナル製作が可能な什器「CLAP」「SIDEJACK」を紹介します。

PASSOTのオリジナル商材「ダンボール製フロア什器」CLAP 荷重に優れた仕様

CLAP

CLAPは、ワンタッチで組み立てができるダンボール什器です。優れた耐荷重性能を備えており、店舗での設置作業を大幅に効率化できます。これまでに多くの飲料や日用品メーカーで採用されてきた実績があります。
折りたたみ可能な構造により、輸送時や保管時にはコンパクトなサイズに収まり、運送・収納保管のコストの削減にも貢献します。天板を取り付ければストッカー付きテーブルとしても活用でき、スーパーのエンド展開はもちろん、展示会や試食ブースなど幅広いシーンで活用できます。
デザインや仕様のカスタマイズ性も優れており、店舗の規模や目的に応じたオリジナル什器の製作が可能です。限られたスペースを有効活用しながら、ブランドイメージの訴求にも繋げられるプロモーションツールです。

PASSOTのオリジナル商材 SIDEJACK エンドやサイドネットに取り付け 耐久性優れた構造

SIDEJACK

SIDEJACKは、サイドネット什器やエンドコーナーでの展開に特化したダンボール什器です。スリムな見た目ながら高い耐荷重性能を持ち、ワインボトル、スープ缶、ペットフードなど重量のある商材にも対応可能です。
什器のフレーム部分を活かして、ブランドの世界観を表現したり、ボードを用いてメッセージや販促什器を伝えることができ、売り場での訴求力を高めます。
また、ラックに固定して設置できる仕様により、限られたスペースを有効に活用できます。コンパクトに梱包できるため、輸送・保管コストも抑えられます。
デザインや印刷の自由度が高く、既存の什器では出しにくいオリジナリティを演出することが可能です。
さまざまな売り場環境に柔軟に対応できる什器として、多様なシーンで活用されています。

オーダーメイド什器を活用してみては

オーダーメイド什器は、店舗やイベントに合わせた売り場づくりを実現し、販促活動を前進させることができるでしょう。。特注することで、ブランドイメージに合ったディスプレイが作り込め、限られたスペースも効果的に活用できます。陳列棚や展示会を理想的な仕様にできることは、商品の魅力を引き出し、顧客の購買意欲を高める要素にもなります。
理想の什器を製作するためには、製作プロセスを理解し、ヒアリングから納品までの工程で、製作会社と販促意図や売り場の課題を丁寧に共有することが重要です。デザイン性と実用性のバランスを理解し、現場の使い方や制約を踏まえて仕様を検討すると、より活用しやすい什器が完成します。
オーダーメイドで製作する場合の初期コストは、既製品より高くなることがありますが、長期的な視点で見れば、ブランド価値の向上や販促効果の最大化につながり、投資として見合うケースも少なくありません。また、必要な部分のみをオーダーメイドにし、その他は既製品を併用することで、コストを抑えた導入も可能になります。
什器は店舗運営やブランド表現に欠かせない存在です。売り場に合うオーダーメイド什器を取り入れることで、競合との差別化につながり、印象深い売り場づくりができます。自社の課題や理想に合わせて、特注什器の活用を検討してみても良いでしょう

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